トロッコ動物病院では2015年6月より最新型の手術用ワークステーションVIO300D(独国エルベ社製)を導入いたしました。
旧来の電気メスに比べてより安全性が高く、また手術時間の短縮が可能となりました。
出力が自動的に制御されることから、いままで電気メスの課題であった熱損傷が防止されています。
VIO300Dで主に使用される機能は以下の3点です。
①サーモフュージョン
血管を安全に閉鎖させるシステムです。
下の図のように、機器で血管を挟むだけで迅速・安全に閉鎖されます。
これによって糸による結紮を省くことで手術時間が短縮するだけでなく、
体内への糸の残存を無くすことが可能となります。
特にダックスフンドやトイプードルなど、縫合糸反応性肉芽腫の好発犬種では重要です。
②切開
旧来の電気メスでの切開とは異なり、自動的に出力が調整された優れた切開が可能です。
これにより出血を起こさずに切開することはもちろん、組織の損傷を最低限に抑えます。
③凝固
エルベ社の独自技術により、止血時に発生するスパーク(火花)が防がれています。
これまでの電気メスによる凝固で課題だった「凝固後の炭化組織脱落による後出血」が起きません。