クリスマスローズの異種間交配種「アイスブレーカー・マキシー」が開花しました。
日本でも人気のクリスマスローズ、実際にはクリスマスにはまだ咲きません(通常2~4月が開花期)。
実は広く流通しているクリスマスローズは「ガーデン・ハイブリッド」と呼ばれる品種で、欧米ではクリスマスローズと呼ばれません。
では本来のクリスマスローズとは?
それは原種のひとつである「ニゲル」という品種こそが、ちょうどクリスマスの時期に開花するので特に英国でクリスマスローズと呼ばれます。
これ以外の品種はクリスマスローズではなく属名の「ヘレボルス」と愛好家は呼んでいます。
ただ、ややこしいので今回は全部クリスマスローズとしておきます(笑)
さてクリスマスローズは、大きく「有茎種」と「無茎種」に分けられるのですが、ニゲルは有茎種と無茎種の両方の性質をもち、どちらとも交雑するという特徴を持っています。
下にクリスマスローズの原種の分類をまとめてみました。
今回開花した「アイスブレーカー・マキシー」はニゲルとアグチフォリウスの異種間交配種です。
ガーデンハイブリッドに比べて、ニゲルの性質である肉厚の常緑の葉や横向きに開花する点が特徴的です。
実は今回、物珍しいので異種間交配種をアップしましたが、私自身は広く流通しているガーデンハイブリッドが大好きです。
比較的安価で入手できますし、雑種といえば雑種なのですが、世界にオンリーワンの花が自分の庭にあるというのは楽しいことです。
下の写真は20年ほど前に父が植えたガーデンハイブリッドのこぼれ種から育てた株です。
珍しい色や花形ではないですが、清楚な小輪花がとても気に入っています。
余談ですが昔、カリフォルニア大学デービス校での講義の合間に大学付属の「Toxic Plant Garden(有毒植物園)」を訪れた際、クリスマスローズが植えられているのを見つけた時の写真です(デービス校は農学・獣医学を得意とするカリフォルニア大学の一校です)。
私は当時から植物が大好きだったのですが、一緒に日本から行った獣医師は興味の無い先生ばかりでしたので、
「下沢はなぜそんなに喜んでいるんだ」と首をかしげながら私の記念写真を撮ってくれました。
なおクリスマスローズの毒性はそれほど強くはなく、葉にも強い違和感があるため大量に動物が誤食することは考えにくいとされていますが一応、知識としては知っていて下さい。
※キンポウゲ科に含まれるラナンキュラスやセイヨウオダマキなど皆一定の毒性はあります。家の中に飾るときには十分に気を付けてくださいね。