トロッコ動物病院

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症例紹介:第三眼瞼の病気~T字型軟骨外反とチェリーアイ~

皆さんは、ご自分の愛犬・愛猫の眼に「第3の瞼(まぶた)」というものがあることをご存じですか?

(上瞼・下瞼の2枚に続く、3枚目の瞼という意味ですね)

よく観察していただければ、犬・猫が目を閉じる際に目頭(めがしら)から角膜の表面を横切る膜を見つけていただけると思います。

それが、今回の主役である第三眼瞼(別名:瞬膜)です。

 

この第三眼瞼の働きは本当に大切で、

①涙を作る(犬や猫では涙液の30~40%を作るといわれています)

②その涙をワイパーのように角膜表面に行き渡らせる

③眼を保護する

などの役割を果たしています。

 

今回は、犬の眼科疾患の中でも比較的遭遇することが多い第三眼瞼の病気について少しお話したいと思います。

 

①T字型軟骨外反

T字軟骨 1反転

T字型軟骨の外反を起こしたダックスフンド

 

T字型軟骨というのは、第3眼瞼の骨格になっている軟骨です。この軟骨が、くるりと外向きに「ねじれ」てしまうのがT字型軟骨外反です。

この病気は、後述する「チェリーアイ」と外観が似ているため、間違われることのある病気ですので注意が必要です。

治療としては、外科的に「ねじれ」を整復します(外科手術には数通りの方法があります)。

 

②チェリーアイ(瞬膜腺の脱出)

1.術前

ダックスフンドの左眼に発生したチェリーアイ

 

チェリーアイは、その名の通り桃色の腫瘤が第三眼瞼に出現する病気です。名前も外見も特徴的なので、比較的知名度が高いのではないでしょうか。

このチェリーアイは、前述したT字型軟骨の周囲にある「瞬膜腺」という涙を作る分泌腺が飛び出てしまうことで発生します。

 

1980年以前は、飛び出したチェリーアイを切除してしまっていました、これを切除法といいます。

しかし次第に、瞬膜には大切な機能があることが分かってきたことから、今では切除法はほとんど実施されません。

その証拠に、切除法を実施された患者の多くが慢性的なドライアイ(角結膜炎)を発症してしまいます。

 

そのような経過もあり、現在、チェリーアイの治療方法は瞬膜腺を温存する手術方法が主流となっています。

温存方法にも数種類の方法があるのですが、当院ではその中でもポケット法という術式を選択することが多いです。

 

第三眼瞼の病気は、無治療のまま放置すると慢性結膜炎におちいってしまうことが多いので、早期の治療が必要です。

みなさんも愛犬の眼頭に異常を感じたら、早めにかかりつけの先生に相談してあげてくださいね。