30年前の犬の平均寿命をご存じですか?
30年前、1986年における犬の平均寿命はなんと平均6.5歳。
2009年以降犬の平均寿命は15.1歳にまで延びたというデータがあります。
参考文献:日本獣医師会誌64(2011)
飼育環境の向上はもちろんの事、獣医療もまた発展してきました。
その中のひとつにフィラリア予防があります。
犬のフィラリア予防薬のひとつ「イベルメクチン」が販売された年が1987年です。
犬の寿命が延びた事は他の要因(食事の改善・屋内飼育の増加)も関与していますが、フィラリア予防が確立したことが大きいと考えられています。
今でこそ、愛犬家にとってフィラリア予防はごく当たり前のことですが、予防薬が販売される1987年以前はそうではありませんでした。
たった30年前、愛犬のフィラリア感染は死を覚悟するものだったのです。
昨年ノーベル生理学・医学賞を受賞された大村智博士。
博士が発見された細菌(放射菌)が産生する物質がイベルメクチン(フィラリア予防薬)となりました。
動物薬として販売が開始された1987年に人体薬としての承認を得て、
翌年1988年からアフリカの熱帯病のオンコセルカ症・疥癬の治療薬として毎年2億人以上の健康に貢献しています。
現在フィラリアに対する知識・予防により犬フィラリア症は昔と比べ少なくなりました。
しかし、予防が十分にされていない地域があるのもまた実情です。
ここ飯田下伊那地区でもフィラリアに感染している子がいます。
感染犬がいるということは、愛犬がフィラリアに感染する可能性が十分にあるということです。
フィラリアによって30年前は救えなかった犬達がいます。
しかし今は予防ができる時代になりました。
「うちの子は大丈夫だ」「過去の病気だ」と思わずに、しっかりと予防を行い、愛犬をフィラリアから守ってあげてください。